自分で書いた遺言書は要注意!自筆証書遺言の落とし穴

「高齢の父(母)が、最近、遺言の書き方の本を買ってきて、遺言を書いた様。家族にも、もしものときのために遺言を残してあると言っている。ただ、専門家に相談することもなく全部自分で書いた模様。自筆遺言証書は間違えがあったら全て無効になってしまうと聞いたので、正しく書かれているか不安。どうしたらよいのか。」

このような相談をお聞きすることがあります。


現在、遺言に関する情報は、インターネットや書籍などであふれています。
誰でも、気軽に書けるようにも思います。

一方、遺言は遺言者の自由な意思によってなされるものですが、残された家族などに多大な影響を与えるものであるため、民法で様々な要件が決められています。

これらの要件について、様式の不備や間違いがあると遺言自体が無効になってしまいます。

自筆証書遺言はあるものの、次のようないわば「落とし穴」があるため、結局意図した相続が行われずに、相続財産を巡って相続人同士で紛争になってしますことも多くあります。

注意すべき落とし穴としては主に次のようなことがあります。

①遺言が成立した後に、変造・破棄されてしまう。
②正式な形式に則って作成されなかったので、遺言書として認められない。

まず、①について見ていきます。

自筆証書遺言は、公証役場に預ける事がないために、遺言者の側で大切に保管しておかなくてはなりません。
また、いざというときに遺言書が相続人に発見されない場所というのでは意味がないわけです。
ですから、両方の要請を満たすような方法や場所で保管をしておく必要があります。

一方、相続は、様々な人たちそれぞれの財産を巡る私情が複雑にからみあうものです。
遺言の内容が、ある一人の相続人にとっては好ましくないものであることも当然あるはずです。

その一人が、被相続人が生前残した遺言書を見つけ出し、他の相続人にわからないように捨ててしまったり、内容を書き換えてしまうこともあるのです。

次に、②についてです。

自筆証書遺言には、書き方の決まりがあります。
例えば、「全文を自書する。」「日付を記入する。」「名前を書く。」というような基本的な取り決めがあり、これらが守られていないものは有効な遺言書となされないのです。

しかし、どこかに間違えがあった場合、内容に不明瞭や不明確な点があったりする場合には結局、遺産分割協議が必要となってしまい、遺言をしておいて意味がなくなってしまいます。

そのようなことにならないためには、出来れば公正証書遺言をしておくことが望ましいといえます。
自筆証書遺言を行う場合でも、書いた遺言の内容等のチェックや保管について、専門家に相談しておく必要があるといえます。

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