相続登記(不動産の名義変更)しないでおくと...

「相続登記をする必要はあるのですか。」
「不動産の名義変更をしなくても問題がありませんか。」

このような質問を受けることがありますが、実際はどうなのでしょうか。

相続登記は、ほぼすべての場合に済ませておく必要があるといえます。

たしかに、相続登記(名義変更)をいつまでに行わなくてはならないという期限はありません。
この点は、相続税の申告や相続放棄の手続きとはことなっています。

しかし、もし相続登記(名義変更)をやっていないと、後で様々な不都合や予期せぬトラブルが起こることが想定されます。

例えば、相続人の人が、早急に不動産の売却をしたいと計画を立てているケース。
また、金融機関から不動産を担保に住宅ローンを組みたいと考えているとしましょう。

もし、相続登記をしないで放置したままだとします。

不動産の名義が亡くなった被相続人のままだとすると、そのままでは売却や住宅ローンを組むことが出来なくなってしまいます。

まず、登記の名義人を相続人に変更しなくては(相続登記)、不動産の処分や権利の設定を進めていけないのです。

相手があることなので(不動産の買主や金融機関等)、相続登記についての話し合いや手続きに時間をかけていてはせっかくの機会を逃してしまうことにもなりかねません。

相続登記(名義変更)をしておかないと、不動産の有効活用の道が閉ざされてしまうのです。


また、相続登記のポイントとして、早めに済ませておくことも大切なのです。

出来れば、相続の開始から半年以内に済ませておくことをお勧めします。

その理由はこういうことです。

①相続登記(名義変更)をしないで何年も放置しておくと、相続人の方が亡くなり次の相続が発生する可能性が出て来るのです。

こうなると、相続人の数が一挙に増えて、権利関係が複雑になってしまいます。

言い換えると、遺産分割協議に参加する相続人が多くなり協議が成立しにくくなります。

今まで会ったこともないような人や連絡先もよくわからないような人たちとの間で遺産分割協議を行わなければならなくなるのです。

これでは話し合いすら出来ないことも多いでしょう。


②相続人の数が増えると、戸籍などの取得する書類が大幅に増加し、費用と手間(時間)がかかってしまいます。


さらには、戸籍などの保存期間が過ぎてしまい、書類の取得自体出来なくなり、法務局とその対応について相談をする必要も生じてきます。


つまり手間も費用もかさんでしまうのです。


それでも、結果として相続登記が出来ればよいのですが、相続人の間で話がまとまらない場合などには登記が出来なくなってしまいます。


こうなると、不動産の有効活用を図ることが不可能になります。
(不動産の使い道がなくなってしまうのです。)


早く相続人の間で相談し、相続登記(名義変更)をしておけば、こんなことにはならなかったのにという場面に出会うことが少なくありません。

大切な家族が残した大きな財産です。


相続登記(不動産の名義変更)の必要性と重要さを多くの方に知っていただければと思います。


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