遺言の解釈について

遺言書の記載内容で、書かれていることの意味がよくわからないことがよくあります。
そういう場合は、遺言者がどういう意思で遺言を書いたのか、正確な法的な意味を確定させる作業が必要になります。

 

この遺言者の意思の正確な法的な意味を確定するのが、「遺言の解釈」です。

解釈にあたっては、二通りの考え方があります。

遺言書以外の資料(生前の日記、書簡、証言など)を広く考慮する立場です。裁判所は基本的にこの立場をとっています。

これに対し、解釈の基準としては、民法の規定や遺言書自体の記述を重視し、それ  以外のものはあくまで参考にとどめようとする立場があります。文面を重視する考え方です。

いずれの立場であっても、遺言書の中の法的に効力のない部分も遺言の解釈にあたっては考慮されることになります。

そういう点からも、遺言者の思いを遺言の中に書き残しておくことは、二重の意味があるといえます。

ひとつは、遺言の中にメッセージを残すことにより、それが残された遺族に伝わり、結果として遺言者の最終意思が実現されることです。

もう一つは、裁判所による遺言書の解釈には、相当広い裁量があることを前提にして、遺言書の中に法的に意味のない「思い」を書いておくことが、裁判所自体の遺言の解釈を左右することも有りうるということです。

ただし、記載内容によっては、遺言そのものの意味が確定できなくなってしまうこと  ともあるので、専門家に相談するなど特に注意が必要です。


遺言の解釈をめぐる裁判例で興味深いものもありますが、また次の機会に触れたいと思います。

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